🌸桜めだか🌸 神戸の改良メダカ専門店

淡水ワムシ培養

【神戸のメダカ屋・桜めだか】で産まれたばかりのメダカの針子へ最初に食べさせる餌がワムシです。

その淡水ワムシの培養方法を全て公開いたします!
(2021年・夏版)

《用意するもの&ポイント》

  • 培養する水槽やケース(できるだけ大きい容器の方が安定した培養維持ができます。針子や稚魚に培養水ごと汲み出して与えますので、汲み出す量の5倍以上の水量をオススメします。)
  • カルキを抜いた水(メダカの飼育水や長期間経った貯め水はオススメしません。すでに他の原生動物が入っています。)
  • エアーレーション(ミジンコと異なり、強めのエアーで培養します。)
  • ワムシの餌(冷蔵保存されていた生クロレラ、クロレラ微粒子パウダー、PSB光合成細菌の3つがオススメです。それ以外の餌は、容器内に入れることにより細菌を発生させ、それをワムシに食べさせるという間接的なものなので効率が悪く、培養槽の劣化もするので長続きしません。)

【重要なポイント】

ワムシはミジンコに比べて増殖力が速く、個体数がみるみる増えていきます。ゾウリムシを培養された方は感覚が似ているので参考にしてください。太陽や光に透かして見ると無数の小さな何かが見えるのと同じようなサイズ感です。
3つの重要ポイントは《餌を入れ過ぎない・酸素供給・最低でも2~3日に一度は水ごと汲み上げて新たな水を足す》となります。
ただしミジンコに比べると容易に増やすことができます。

カプセル1個には多くの乾燥卵が入っています。一般的な60cm水槽(60×30×36cm・65L)以上の容器であれば、カプセル1個をお使いください。それ以下であれば、カプセルを外して2~3回に分けてお使い頂いても、十分な種ワムシを発生させることができます。
乾燥卵を水面に落としていきます。大きな容器で培養する場合は、中身を分けずにカプセルごと入れてもOKです。
沈殿することなく水面に浮遊しておりますがご安心ください。孵化を確認するまではエアーレーションは必要ありません。
エアーによって水面が動く事により、ケース内の壁に付着してしまい孵化に負担がかかります。

孵化を確認できた後、エアーレーションをイラストのようにセットしてください。
酸素をしっかり与えることにより、そのケース内のワムシの密度を大幅に上げることができます。
ミジンコのように緩やかなエアーでなく強めで構いません。

クロレラ工業様にプロデュースしてもらった《クロレラ微粒子パウダー》を、付属のスプーン1杯を水にで溶かすとこのような状態です。付属のスポイトで攪拌して培養槽へ入れていきます。または生クロレラを添加してください。ただし冷蔵保存をされなかったものや生産から1ヶ月以上経過した生クロレラは、見た目は緑でも腐敗へ進んでいっています。そのような鮮度の悪い生クロレラであれば微粒子パウダーの方が良いと思います。

【クロレラを与える際の重要ポイント】

比較画像をご覧ください。これは生クロレラでもクロレラパウダーでも共通しています。左の投入後のカップの色味から、ワムシがクロレラを食べつくすと右のカップのような色になります。クロレラ(餌)をやる回数は最低でも1日1回、できれば2回。(ただし1~2日、エサをやらなくても死滅はしません。例えば、明日やれないから今日は多めに!のパターンは、食べきれない量のエサを投入した結果から水質悪化を招きます。クロレラを与える量ですが、次に与える際にクロレラの緑色が抜けているのが目視できるのが、その培養槽への適量です。入れ過ぎは禁物です。たくさん入れても増えるのが早いという訳ではございません。培養が進み個体密度が高くなると、当然エサとして投入するクロレラの量も多くなりますが、ワムシの場合はミジンコに比べて増減の幅が安定しています。突然、激減しているようなケースはあまりありません。この辺りはゾウリムシ培養と似ています。

桜めだかでは水ごと汲み出して、針子や稚魚の容器へ毎日入れています。目安として、産まれてから約1週間はワムシだけを与えています。そこから微粒子のパウダータイプの餌を少しづつ加えています。もちろん大きな成魚に対してもワムシは効果的です。 特に生クロレラを使っている場合では、グリーンウォーターとしては動物プランクトン(ワムシやゾウリムシなど)も含まれ植物プランクトン(クロレラ)も含む最高のものだと思います。

ワムシを培養していても、ミジンコ培養のようには水が劣化するものではありませんので、頻繁にワムシと水を汲みだしてメダカへ与えていれば、足し水をするだけで1ヶ月でも大丈夫です。
しかし、エサを多く入れすぎてしまったり、ワムシと水を汲みだすしていなければ壁面がヌルヌルになっていたり、ゴミが浮遊しよろしくありません。そんな時は種水を汲みだし、ケースをリセットする事をおすすめいたします。 

【最後に桜めだかより】

メダカ飼育を開始したての頃、繁殖方法を教えてもらった方に「淡水ワムシをやると針子の歩留まりが良くなるから与えなさい」と言われ、当たり前のようにやっていました。その後、ワムシの培養を通して魚と植物プランクトンと動物プランクトンのバランス関係が取れている状態が<良いグリーンウォーター>なんだなと理解できるようになりました。
ゾウリムシは多くの方がエビオス錠を使って培養されていると思いますが、メダカの世界では、ワムシ培養はまだまだ取り入れられていません。しかし、グリーンウォーターを狙っている方は何故か?を考えてみてください。そこには微生物の絶妙なバランス関係があり、常時メダカが食せる餌となるプランクトンが含まれています。カルキを抜いた水道水へ生クロレラを入れても意味がありません。そこにミジンコやワムシなどの動物性プランクトンがいるからこそ、クロレラの意味があるのです。クロレラの細胞壁は固く、メダカがクロレラを食べてたとしも栄養を吸収できませんが、クロレラを食べたミジンコやワムシを通してであれば栄養を吸収できます。屋外飼育をされている方には、ワムシは本当におすすめしたいと思っています🌸